昨日、夕食時に出た話題で、隣地区で稲穂が真っ赤になって騒ぎになっていると親父から聞きました。原因はウンカという虫の大量発生によるものらしく、悪いことに刈り取りを早めてしまわないと全部だめになる状態だそうです。ウンカがつくと稲が病気になり、穂が赤く(朱色)になってやがて剥げて枯れてしまうのだとか。
ウンカと聞いて少し懐かしく思ったのは不謹慎かもしれませんが、昭和の時代には稲が実る頃には、黄色の虫ウンカが結構いました。それも大量です。害虫なので消毒して殺すのですが、その消毒薬として使っていたのがDDTという粉末剤だったような記憶があります。DDTといえば、戦時中は不衛生で頭の髪の毛にシラミがわいたものらしいのですが、その予防に粉末剤のDDTを頭にかけていたのです。とても良く効くのですが、これが恐ろしい薬でほとんどの虫に効くのです。当然人間にも悪いので、製造中止になりました。
その製造中止薬物を使用しているのが、大きな声では言えませんが、中国。まだ記憶にも新しい毒入り餃子事件を覚えている方もいるかと思いますが、それに使われた農薬は、日本ではとうの昔に製造中止になった劇薬だったのです。
話が少し脱線しましたが、日本ではそれに代わる新消毒剤が次々に開発されてつい最近まではウンカによる被害は報告されていませんでしたが、ここ10年ほど前からちらほらあるようで、薬剤が効かなくなったと言われています。江戸時代に大飢饉がなんどかあったのは、学校で習ったのですが、その原因の主がウンカではないかといわれています。それほどウンカは稲にとっては大敵なのです。
ですからとなり地区で発生したと聞いて、他人事では済まされなくなってきました。原因は不明ですが、お隣の中国、東南アジアから飛来してきたのではと噂がたえません。東南アジアでもかなり、このウンカに大被害にあっていたからです。
幸い、うちでは順調に育ち刈り取りを待つばかりですが、丁寧な稲作りが欠かせなくなってきたように感じています。日本では農林水産技術センターが絶えず研究して、対策を講じているので情報をしっかり得て取り組めます。何分この異常気象の時代ですから、当たり前の作業を当たり前にこなしていくことが良い米作りには大事だと思います。