今年は9月の長雨で稲刈りを遅らせた農家がほとんどでした。刈り取りの時期になると狙ってやって来るのが猪です。最近、猪の数が増えた様で夏辺りでも畑を荒らしてくれて困っています。 芋でも人参でも掘り起こしては残らず食い逃げされ、後にはけもの臭を残し穴だらけの畑が残る始末です。
山の中より里に出た方がご馳走にありつけるわけですから、狙ってやって来るようになるのです。 猪は米も好物らしく、猪に入られて荒らされる田んぼが後を断ちません。今年も隣地区で田んぼが荒らされた様です。今はどこでも”電ぼく”を使って防いでいますがそれでもやられます。
”電木”とは、田んぼの周りに杭を打ち、それに電気を通した電線を張ってあるもので、丁度プロレスのリングを想像して頂ければわかります。イノシシが電線に触るとビリッと感電する仕組みになっています。一度感電すると懲りてやってこなくなるのですが、触っても感電しない場所があるんです。それは電木の木の部分です。電線を押さずに巻き付けて立っている木を押し倒せば感電しないのです。それを知ったイノシシも利口ですが、一度でも侵入されたらもう電木は効き目がありません。この電線に雑草等が当たっていると電気が流れないので、草刈りは必須ですが、木を倒すとは恐れ入りました。田んぼはもうめちゃくちゃです。
そうなれば早め日に稲刈りをしてしまわないといけません。電木が効かなくなれば打つ手がないからです。いわゆる”青田刈り”ってやつです。私の所では田んぼの周囲に鉄製の柵をめぐらし、ブリキのトタンで目隠しをしてあるので、防げています。
TPPで諸外国米と戦うことになることよりも、イノシシと戦う方が大変です。一年にかなりの数のウリ坊(猪の子)が生まれるのですが、増える一方で、防御するにも一苦労です。国の直接支払制度(民主党が始めた農家に対する個別補償制度)がありますが、他に害獣手当も欲しい位です。