寒暖差と山から吹き下ろす風が美味しいお米を育てます
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稲作アラカルト

高温続きの稲作り

稲と日光

コシヒカリにとって8月は日光が特に必要な時期です。7月下旬から8月初め頃にかけて出穂し、穂の充実を迎える時だからです。

長かった今年の梅雨

今年ほど梅雨の長かった年を知りません。全国各地で梅雨前線が居座り続けて甚大な被害が発生しました。特に九州地方の方にとっては大変な災害となりました。この場を借りてお見舞い申し上げます。洪水につかってしまった圃場をテレビで見て言葉が出ませんでした。

8月の猛暑

長かった梅雨も7月末にやっと明け、8月に入ると打って変わったように好天続きとなりました。稲も精がよくなりグングン生長していくのがわかりました。「おお!待ってました。」雑草も稲に勝つ勢いで茂ってくるので草刈りが大変です。刈り始めて最後の圃場を刈り終える頃には最初に刈った畦畔の雑草は膝まで伸びているのです。休みは草刈りで潰れますね。

高温障害 胴割れ米

稲にとって日光と気温はとても大切な要素ですが、度が過ぎるとかえって問題なのです。近年の温暖化に対応するように品種改良も進み高温に負けない品種も開発されてきました。ですが、コシヒカリは猛暑に弱く高温は品質の劣化の要因の一つとなります。旨いお米の代名詞としてコシヒカリは長らくその地位を守ってきました。しかし、温暖化による夏の猛暑のせいで胴割れする米が発生するのです。

要するにお米が割れるのですね。割れるとお米を炊飯しても味も落ちますし、くず米のような見栄えでよくありません。

高温障害の対処策

ただ見過ごすだけでは劣化するばかりですので、劣化を抑えるために刈り取りギリギリまで水を切らないとか、夜中にかけ流しするとかして稲体を冷やす努力を施せばかなり違います。密植ではなく疎植にすることも有効です。風通しが良くなり稲が蒸れずに冷えやすくなるからです。同じ理由で圃場内の雑草も大きくならないように管理することが大事になってきます。

今年の出来具合の予測

特に今年のような異常気象の年には、注意深く観察して臨機応変に対処する努力がお米の品質に大きく影響してくることは間違いありません。毎年反省するのですが、その土地、風土に合った施肥のもとでこまめな水管理をできた圃場は良いお米がとれます。ニューズで作柄の出来不出来が発表されますが、あくまで平均であって特上のお米が存在するのも事実ですし、2等米に下がるお米があることも事実です。

お米も日本人の得意とするジャンル「ものつくり」の産業です。大企業の「ものつくり」は一流ですが、農業は小規模の方が目が行き届いて細かな対応ができる分傑作ができやすいと思います。ただ残念なことに大量生産はできませんが。

 

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