稲刈りも終わりひと段落したのですが、まだ終わりではありません。来年度に向けての作業が残っているのです。人によっては秋の耕起をしない人もいますが、人それぞれでやり方は千差万別です。
なんでもそうですが、これでなきゃダメということはありません。その地域にあったことをするのが最上です。緯度も違えば経度も違い、当然気温差も異なり気候も違います。どこかで聞きかじったこと、書物から得たこと、それはそれで有益な情報には間違いありませんが、ピタッと合うかといえば疑問です。古くからのことわざにもあるように「早くてもだめ、遅くてもだめ、丁度が大事」なのです。ここです、肌で感じて、身体で覚えて経験したことは確信があり、間違いがほとんどありません。生きた知識といいましょうか、特に農業に関しては経験に勝るものはないのです。
偉そうなことを言うつもりはありませんが、七転八倒して得たものは生きた知識で、年配のお百姓さんはすごいのです。私も父親に伝授されたことも多々ありますが、「なるほど、そうか」と感心することばかりです。そして、農家それぞれにやり方が微妙に違います。近所でもそうです。それが、個性なのでしょう。出来上がったお米はどちらも一等米です。
さて、私は畦周りの草刈りを終えて、それを田んぼに入れてばら撒き、生のもみ殻も田んぼに戻して”バクヤーゼK”をばら撒いて浅く耕そうとしています。これが終われば今年の作業は終了です。「お米は肥料ではなく、地力で作る」を目標に頑張るのです。農家は一年一年が勝負です。そして気候の変化に応じて変化自在に対応していくことが求められています。
たかがお米と思われるかもしれませんが、安全で安心な旨いお米はいろんなプロセスを踏んで出来上がっていることを知って欲しいのです。何といっても日本人の主食です。私たち農家はプライドを持ってブランド米を作っていることを多くの皆さんに知って欲しいのです。