寒暖差と山から吹き下ろす風が美味しいお米を育てます
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稲作アラカルト

稲刈りを終えて

予定通りの稲刈り

”女心と秋の空”とはよく言ったもので、晴れたり曇ったり、にわか雨になったりと天気が定まりませんでした。10年前と比べ物にならないほど不安定な空模様に毎日やきもきしっぱなしでしたが、何とか刈り終えて籾すりも終わり、ホッとしています。本来なら刈り取りのギリギリまで水を入れるのですが,いつ降り出すかわからない上に長雨にでもなったら取り返しのつかないことになりかねません。若干早めの水切りをして万全な体制をしいていました。2,3日好天が続けばそのワンチャンスに刈ってしまおうと計画したいましたので無事に終えることが出来たのです。

今年の反省点

稲作りは毎年が勝負で、不安定な天候にも適応できるように少しずつ作り方を変えています。今年一番の改善点といえば「無農薬、無化学肥料」を通したことでしょうか。襲い来るTPPの波に負けない防波堤を築くべくあえて挑戦をしてみたのです。初年度から結果は出ないと想像していましたが、有機JASマークを取得するのは大変なことだと実感した年でした。

化学肥料ならある程度計算通りに行くのですが使い慣れない有機肥料はその扱い方次第でかえって悪くなることもあるから厄介です。しかし時代はそれを求めているのですから研究を重ねてものにして行くことが生き残る道だと思っています。

安くて便利な鶏糞肥料

有機肥料にも色々な種類があるのですが、どれをとっても化学肥料に比べて割高でしかも扱いにくい代物なのです。その中でも比較的安くて手に入りやすいのが鶏糞です。完全発酵させたペレット状のものを手に入れて早速試したのですが、やっぱりガス湧き症状が出て苦慮しました。昨年から使っていて、昨年は田植え前に散布してから苗を植えたのですが、ガス湧きで稚苗の成長に害がでました。それに早めに効果が出てきて思うような肥料計画にはなりませんでした。追肥もそうでかなり無理がありました。

その反省を踏まえて今年の田植えでは、前年の秋の耕起に鶏糞を土に混ぜ込んでおいたのです。そして追肥には油粕をメインに使ってみたのです。出来は良かったのですが、鶏糞で地力がついたのか雑草もかなり大きくなり、特にコナギが大暴れしてしまい稲への栄養をほとんど吸い取ってしまったのです。これには参りました。草抜きならぬコナギ抜きをしたのですが、後から後からゾンビのように生えてくるコナギを取り切れませんでした。

鶏糞肥料の盲点

精米した新米を食べてみて気づいたのですが、味の乗りがかなり悪かったので「え!?」とビックリしたのです。原因は鶏糞の成分、石灰分でした。石灰分が多すぎるとカルシウム過剰になり、土中のマグネシウムを始めカリウムやその他の微量元素の吸収が阻害される仕組みになっているようです。ですから鶏糞を大量に使うなら間に緑肥をすき込むひと手間が必要になってきます。緑肥が土中の石灰分を消費してくれるのです。

これからの作業

2年間の反省を踏まえ、来年度に向けて既に作業が始まっています。肥料計画も改良を重ね、試してみる価値ある計画もでき年内の作業を始めていくところです。その土地、風土に合ったものが一番です。基本を押さえつつ臨機応変に対応していく知恵と努力が求められますが、ここがお米作りの醍醐味なのです。

畦の草刈りも残っていますので、有終の美を飾って年内の作業を終えたいと考えています。稲作りは奥が深いですね。来年のお米は顎落ちするかなと今からワクワクしております。

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