寒暖差と山から吹き下ろす風が美味しいお米を育てます
スポンサーリンク
水管理と中干し

出穂後の水管理

出穂後3週間の水位

稲作りにおいて出穂は待ちに待った時で、予定通りに穂が出るか出ないかは不安と期待の入り混じった心持ちなのです。稲が順調に出穂できる様にしてやる上で大事なのは第一に水管理です。出穂2週間前から田面が隠れる位しっかり入水してやります。この時期は稲にとって一番水が必要な時で常に灌水状態にしてやることが必要です。ですから出穂前後1か月間はこの状態を維持してやります。

穂に実が入っていく上で水は大事

出穂したということは米粒が入る部屋を用意できたということで、これからの約1か月間に実が詰まっていく大事な期間を迎えます。そのためには水が非常に重要な役割を果たし、根から水分と共に栄養分を穂に送るのです。土の中にしっかりと栄養分があれば充実した穂になり、肥料が不足すれば米粒の出来が悪くなるのです。追肥は出穂の40日前に行い穂肥は与えません。2段穂になったり倒伏の原因にもなるので控えています。「稲は肥料で取るのではなく地力で取るのだ」とは 故 井原豊さんの名言ですが、まさにその通りで田に地力があると栄養分の供給を継続的に供給することが出来るので、刈り取り前の稲にとっては非常に都合がいいのです。

出穂3週間後の水管理

出穂してから3週間は灌水状態を持続しますが、その後は間断灌水の状態を維持します。3日間水があり3日間水がない状態を繰り返して行きます。徐々に田面を固めて刈り取りに備えるためです。中には早めに水を切って田面を固めてしまう方がいらっしゃいますがもったいない事です。刈り取りギリギリまで水があった方がより一層実りの充実を図れます。私は落水を8月末日をにしています。最近の天候不順により9月が好天になるとは限らないからで、稲刈りも天気予報を頼りに行う日を決めています。刈り取りが早すぎてはいけませんが、遅すぎてもいけません。丁度のタイミングで刈り取るのがベストなのですが、会社勤めをしている以上なかなか難しい選択になります。

玄米アミノ酸酵素液の長所

最近「玄米アミノ酸酵素液肥」を使用していますがこれが結構いいのです。有機栽培JASの認証資材としても使える安心安全な肥料で、これを使うことにより稲がたくましくなり刈り取り期間も伸びて予定外の天気にも安心して刈り取り作業ができるようになりました。

美味しいお米の原点

前述の井原豊さんが言っておられたのは「桔梗が青い籾は味が良い」と。そして「穂肥や実肥を施した稲ほど桔梗枯れが早い」とも言っておられたのですが、全くその通りで地力で取るという考えは理にかなっています。美味しいお米を作るためにいろんな肥料が出回っていますが、施肥のタイミングを選んで稲が喜んでコウベを垂れるようにすることが何より大事だと思います。

日本古来の主食を見直そう

稲は1年後に結果が出てくる作物で途中の作業も結果に影響します。特に気象条件に左右されることが多いため細かな作業計画と臨機応変な対応が求められる作物でもあります。経験を積み重ねながら精進していけば更に美味しいお米が出来るのも事実です。栄養バランスに優れた日本古来の主食を今一度見直していただくことを切に願って止みません。食育を通して日本の心を子供達に伝えていくことはとても大切な事と思います。お米の主食文化復活に少しでも貢献できればと努力する毎日です。

タイトルとURLをコピーしました