寒暖差と山から吹き下ろす風が美味しいお米を育てます
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秋耕と土つくり稲作アラカルト

秋の耕起

刈り取り後の圃場管理

刈り取り後、数種類の雑草が見え隠れしていて、まだ緑色で成長段階です。雑草もこれから来年に向けて種を残し生き残っていこうとしていますが、今断っておけば来年の除草作業が楽になります。圃場内の雑草はしつこくて簡単には消えてくれません。田植え後の除草剤散布をできるだけ軽くし、稲の根張りを良くしてやることにもつながりますので重要です。1回目の耕起を浅く行って雑草の塊茎を露出させ放置します。こうすることで塊茎が死滅してくれるのです。そしてバクヤーゼを散布して2回目の耕起を深めにし、稲わらを冬の間に腐熟させて来春のガス湧きを抑えて稲の根張りを良くしてやります。

今秋にTPPが山場を迎えます

tppと騒がれてから久しいのですが、紆余曲折を経て主要各国の今秋の動きがすごく気になるのです。と大袈裟なことを言ってみましたが、この問題は国家間の問題だけにとどまらず、結局は下部組織にもろに響いてくる問題ですから、地方の小さな零細農家であっても影響は大きいのです。時間の流れが濁流の如く移り変わる時に、後れを取れば命取りです。「先んずれば人を制し、遅るれば人の制するところとなる」と漢文にある通り、今まさに激動の時代です。今世の中がどう動いているのかを知って動かないと取り返しがつきません。

日本のお米の力

お米作りなんて小さなことかも知れませんが、大きな目で見れば日本の主食です。また高齢化が進む時代にあって栄養バランスが取れた優れた食材であることは周知の通りです。玄米ブームも久しいですが、正しい食べ方がありますし、玄米スープも話題になりました。日本人にとってお米は無くてはならない食材です。良いお米とは何か。限りなく農薬を使わずに作った美味しいお米です。いわゆるオーガニックですね。オーガニックは、田畑で使う資材をはじめ、加工食品の添加物についても、可能な限り化学的なものを排除していますから、化学的危害リスクは一般の食品に比べて極めて低くなっています。ヨーロッパではこのオーガニックがかなりのウェイトを占めていると聞きます。日本においてのお米作りは、減農薬、エコファーマーです。健康に留意した安心安全を最優先させて生産することがこれから更に求められるようになって来ると思っています。

除草剤について思う事

昔は除草剤などは使わずにお米を作ったものですが、高度経済成長に合わせるように、量産する体制が求められるようになり、化学肥料、農薬が使われるようになりました。結果、品種改良の努力もありかなりの良質米が生産されるようになってきました。農薬は使用しているのですが、日本の規制基準は世界最高レベルで他国に比べれば信用の面からみても段違いに優良です。ひとえに国民性が反映していると確信しています。しかし、わずかずつであっても摂り続けると健康を害するまでになるのを日本人皆が意識するようになってきたのです。アトビー、食品アレルギーなど多くの問題が出てきたのです。

自分の健康は自分で守る

買い求める食品は出来る限りオーガニックのものを求めるのが安心ですね。そこでTPPの事を考えるとかなりの疑問を私は持っています。冒頭で除草の難しさを書きましたが、除草剤一つをとっても世の中にはいろんな除草剤がありふれています。日本国内でもかなりのシェアをほこり、農水省のお墨付きを付けて販売している商品でも他国では訴訟問題まで発展している薬剤もあります。何が信用出来て何が危ないのかがこれから問われる時、数多国間で取引されるTPPの食品の安全性を考えると大いに疑問を感じます。国内販売において農水省の登録許可を得るまでかなりの時間を要し、機会を失いかねない商品等は同レベルの商品でも「~用に可」と表示できないまま販売されることになっています。熾烈な販売競争が国内のみならず海外を巻き込んで発生しますので、消費者は余程研究して買わないといい買い物ができないことになると思っています。迷った時は国産に目を向けて欲しいと思います。良いものはそれなりに手間ひまかかり、費用もかかることを理解してほしいのです。飽食の時代は終わると思います。これだけ気候が激変して異常気象が続けば不作続きになることは間違いありません。それを肌で感じて分かっているのは日本の農家の私達です。

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