寒暖差と山から吹き下ろす風が美味しいお米を育てます
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水管理と中干し

記録的な猛暑

7月の季節外れの台風

7月初めに季節外れの台風がやって来て全国各地で水害をもたらしました。 山崩れで家が押し流され、道路が寸断され、特に農家で田畑は水没、あるいは山からの土砂でおおわれてしまうという痛ましいニュースが全国を駆け巡りました。同じ稲作農家として絶句で、言葉もありません。懸命に育てた稲が押し倒された農家の皆さんに、この場を借りて謹んでお見舞い申し上げます。

台風後の異常気象

今年ほど異常な気象が、いまだかつてあったでしょうか。台風で大被害を被ったところへ、今度は異常高温で全国各地で軒並み最高気温の更新です。全く降雨がないのも異常です。昨年から今年にかけて結構な降雪でしたから、私の地区では水が足りていますが、出穂の時期に水がなくてお手上げ状態の地区もあると聞きます。自然の猛威の前には手の打ちようがありません。

今年の熱中症対策

今年ほど雑草の成長が勇ましかった年もありません。7月の台風後の降雨とその後の高温続きで、雑草の伸びが尋常ではありません(現在進行形です〉。刈っても刈っても直ぐに伸びるので休みが休みになりませんでした。今年も熱中症対策でスポーツドリンクを飲みましたが、それ以上にトマトジュースを良く飲みました。SNSで話題になっていたからです。スポーツドリンクだけでは熱中症になりやすく、頭痛や痙攣を今年も経験しましたが、トマトジュースを飲むようになってからはいいようです。もちろん軽トラックでエアコンを利かせながら適度な休憩を取ったのは言うまでもありませんが。

高温障害がでないように

稲も熱中症ならぬ高温障害が出ないように、水の掛け流しをしながらの間断灌水で管理が大切です。とにかく雨が降らないのですから。加えて35℃超えの高温なので稲にいいはずがありません。高温障害になると出来上がった米が白く濁ったり、割れ易くなったりといいことがありません。一番の対策は高温に強い品種にすることですが、それとは別に努力する点として、登熟期の掛け流しや、春の田起こしで深耕(20~25cm)にすること、そして堆肥を入れることなどです。堆肥には刈り取った枯草も含みます。枯草の意外な効力には一目を置かなかければなりません。刈った草が枯れたら集めて一か所に集積し、秋の刈り取り後に圃場に撒いてすき込むのです。肥料としての意味合いもありますが、病害虫対策になったり、除草対策になったり、または今回の高温障害対策になったりと、昔の諸先輩がいう、雑草の底力には大いに驚かされます。

良質米を作るために

暑かったお盆も終わりを迎え、稲はこれからが正念場を迎えます。刈り取りまでの約1か月弱の間の水管理や、圃場内の雑草除去、あるいは籾の充実を図るための施策を施すことで、天と地ほどの差が出てくるのも事実です。圃場の水はギリギリまであった方がいいに決まっていますが、コンバインが入れるほどの硬さを維持することが求められますし、雑草の中でもヒエ、コナギ、クログワイは大敵です。しっかり除去して稲への栄養分を取られないように、米の等級品質を向上させる努力が大事です。また、味の向上を図る施肥も重要になってきます。

味の決め手

米の味は、その地方の風土に大きく左右されます。一般的には朝晩が涼しくて、山からの吹き下ろしの風が良く当たり昼は日当たり良好な土地の米はうまいとされています。日当たり、風通し、寒暖差が大きく影響しますが、それに加えて大事なのが普段の手入れ具合なのです。要するに日頃の管理如何によって良くもなり悪くもなるということです。入れ込んだ愛情の深さに比例して稲が答えてくれます。最後の仕上げに向かってこれからが頑張りどころです。

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