草刈り
水稲栽培において、重要かつきつい仕事が草刈りです。慣れないうちは草を刈るだけでも大変ですが、実は一番大変なのが、刈った後の枯草処理なのです。私の所の様に急こう配の棚田を圃場整備した田んぼは畦の草刈りが半端ではありません。かなりの量の雑草です。これをフォークでかき集めて寄せて、それを運搬車などで保管場所まではこぶのです。両腕の筋肉、腰回りの筋肉、腹筋、太腿の筋肉全てを駆使して集めて運ぶ重労働です。丸一日かけてやるのですから、もうへとへとです。年齢的にかなりきついのですが、これのお蔭で体力がついているのも事実です。
田植え前と田植え後の草刈り
田植え前は、畦際の草刈りをしておきますが、田植えがおわると今度は傾斜面の草刈りが待っています。すべてが一通り終わる頃には最初に刈った場所はもう伸び始めています。雑草の生命力にはただただ脱帽です。呆れるほどの生命力に腹が立つほどです。畦際と傾斜面の草刈り、草集め、運搬の工程を年に4回ほど繰り返すのですが、勤めの休日がほとんど潰れます。害虫が寄ってこないように住処を作らないようにしておくことが美味しい米作りには欠かせません。
きつい作業でも儲けは少ない
なんでそこまでして作るのですかという疑問をいだいた人もいらっしゃるかと思いますが、代々受け継いだ農地を荒らさないようにという気持ちが一つ、子供の教育の助けになるからというのが一つ、稲作を通して近所付き合いの輪を広げて行くことが一つ、美味しい、安全な主食を子供に食べさせたいという気持ちが一つと挙げれば理由はいくつもありますが、やっていて結構はまってしまって、面白みがわかってきたのが一番大きいのかなと思います。それに退職して老後の仕事として長く続けられ、年金と合わせるとそこそこの収入につながるので、それもあります。春から秋まで頑張って、冬はゆっくりと楽しみを持って生活することも一つのスタイルではないかと思うようになりました。
TPPで諸外国から農産物が輸入される時代
アメリカが外れていますが、TPPが発動され、諸外国から色々な農産物が輸入される時代になりつつあります。昆布とカツオのダシで育ってきた繊細な日本人に、諸外国の食物が受け入れられるのか興味があります。確かに価格は安いですが、食味、安全性において日本は頭一つ抜けていると思っています。一度上がった舌は落とそうと思っても落とせないのが人間です。
美味しいものはそれなりに手間ひまがかかります
とにかく安全で美味しいお米を追求しています。毎年が挑戦と研究の米作りです。沢山出来ないけど新米として市場で話題になるような米を目指して努力あるのみです。