寒暖差と山から吹き下ろす風が美味しいお米を育てます
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田起こしと田植え

田植え

ハウス栽培で丈夫な苗を育てる

通常は田植えの日取りから遡って種まき、浸種をします。予定通りに行って発芽から育苗期に移っていくので、要点を抑えておけばスムーズに苗は育ちます。特に発芽機からハウスに移してからは毎日の水やりとハウス内の室温管理を徹底することが条件です。ハウス内で3~4週間育ててから田植えをします。その間、苗を鍛えるのですが、これをやると台風に負けない、病気に負けない稲になっていくのです。

丸太を引っ張って苗にストレスを加える


苗箱の上を、両端に縄を結んだ丸太を引きずって苗を折り曲げてやると、中には千切れてしまう稚苗もありますが、背が伸びず、茎が太くなる苗になってきます。田植えした後に病気にかかりにくくなり、倒れにくい幹の太い稲に育ってくれるのです。現に昨年の強風と雨でほとんどの田で稲が総倒れになったのですが、私の管理する稲は全て直立不動でした。

田植え前の圃場の管理

私の場合は荒お越しに始まって、中お越し➡荒代➡仕上げ代とトラクターで計4回越します。丁寧を心掛けると雑草の削減にも役立つからです。田植え前は特に大変で、田植え前の3~5日に仕上げ代を掻きますが、天候に恵まれなかったりすることがよくあります。今年がそれで、会社勤めの私にとってはこの日しかないという日に作業しますが、冷たい雨の中、仕上げ代を掻きました。丁度田植え3日前のことです。

田植えは2人一組で

早朝に苗箱に”箱入り娘”という薬剤(いもち病や紋枯れ病に対する薬剤)を振り、水を掛けてやることから始まります。それをトラックに積み込み圃場へ出発です。田植え機に苗をセットして植えはじめますが、相方は土木作業で使うポールを畦際に刺して目印を作ったり、苗箱の補充をしたり、レーキで田面を平らにして植えやすいようにしたりと大事な役割を担っています。うちの場合は家内がやってくれています。田植え機のオペレータは私ですが、真っ直ぐに植える事が肝心で、また、時間のロスをしないように考えてコース取りをしてスムーズに作業するように考えながらします。

植え付け本数2本の疎植

苗のかきとり量を少なく抑えて、尺角植え(坪37株)にすれば苗箱も少なくて済むし、肥え切れもしなくなるし、稲も大きく開帳して倒れません。いい事ずくめですが、一時親父と意見が合わず閉口しましたが、良い事はすぐに取り入れる私の言うとおりになりました。倒れず増収するのですから文句のつけようがありません。

除草剤の撒き方

最近は田植えと同時に初期除草剤を撒くようになり、作業の軽減が図られるようになりましたが、私はそうはしません。田植えでキッチリ計ったように植えつけられないからです。中には深く入ったり、浅すぎて苗の根が少し出ていて、薬害に合うことがあります。ですから苗が活着するまで待ってから初期除草剤を動噴で撒く事にしています。

植干し法

初期除草剤を撒き終えたらその場で水口を止め、1週間ほったらかしです。とはいっても晴れの日が続いてくれることが条件ですが。以前田んぼ仲間が、田植えと同時に除草剤を撒いてから後、水を出して灌水状態(しっかり水が張っている状態)にするのを忘れたことがあったそうです。10日後に見回りをしてやっと気づいたそうで「しまった!」と思ったそうですが、なんと雑草が生えていると思ったら生えていなかったそうで、「これだな。」と気づいたと聞かせてくれました。

植干し法の意外な利点

植干し法のメリットは稲が活着しやすいということが挙げられますが、もう一つ、除草剤も効きやすいのではと思います。薬剤の袋には灌水状態を保って1週間保持するように書いてあります。そうすることで泥の表面に除草剤の膜が出来て、それが雑草を抑えるのだとあります。しかしながら、実際の圃場ではそうでない条件で効力を発揮しているのです。田植えではヒタヒタの状態で作業しますが、その時に撒けば十分に効力があることがわかりました。知人もそれからは毎年植干し法で同時薬剤散布を続けています。バッチリだそうで、私も右習いをさせてもらっていて、初期除草剤を撒いてから止水しています。

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