立春が過ぎ、もうすぐ春がやってきます
早いもので、歳が明けたと思ったらもう立春です。暦の上では春ですが、まだまだ肌寒く外は雪景色です。田んぼも雪に覆われていて水浸し状態です。一月に種籾の検査結果も出て、悪天候もあってか成績が振るわなかったようですが、私の作った”キヌムスメ”は全量合格でした。去年の雨風でほとんどの圃場で稲が倒れたようで、刈り取りも手間、選別も手間で品質が少し落ちたのが現状のようでした。それでも県の厳しい検査をパスしての出荷ですから、どこの種籾農家の皆さんも大変な努力をされたのは事実です。毎年思うことですが、去年より更に良いお米を作ることに目標を設定するのは当たり前のことであって、反省と研究心と好奇心で今年も稲作りをして行こうと思っています。
TPPが始まろうとしています
アメリカを除く他の国同士の合意がなされて、いよいよ新TPPが始まっていくようですが、食の安全をどこまで確保できるのか疑問です。過去のニュースを忘れることはありません。毒入り餃子や狂牛病など不安が尽きません。欧米の方と日本人の身体の造りや内臓の強弱も違うはずで、昆布とカツオのグルタミン酸、イノシン酸で育ってきた繊細な日本人が、他の国の基準で作られた食物をこなしきれるか疑問を抱いている一人です。
日本は世界トップクラスの食品衛生基準
日本は世界でもトップクラスの食品衛生基準で、国民の食生活を守っています。今回のTPP交渉の中でも厳しすぎる日本の基準に、他国からクレームがつくくらいですから、いかに日本の食が安全かわかろうというものです。安全を譲って自国の利益を優先させるのがTPPだと思っていますから、私は反対なのです。日本の食の安全をになってきた農家にしてみれば、今度のTPPは受け入れられないのです。幸いに選ぶ自由は保障されていますので、良い品質・安全な国内産を買い求めたいものです。
豪雪の爪痕
先月と節分の豪雪により、山水を運ぶ水路が倒木と土砂により遮断されてしまいました。行き場を失った山水が休耕田を伝わって道路まで流れる被害がでて、応急処置に奔走したのが未だ雪が降り続くさなかでした。用水路が遮断すると田んぼが出来なくなりますので一大事です。。市に連絡して対処をお願いしたのですが、仮に市で対応することが決まっても作業は今年の秋以降とのことで、近くの土建会社に連絡して見積もりをお願いしたような次第です。
直接支払制度の継続
平成29年度で国の反別の保証は終わりになり、直接支払制度のみとなりましたが、この制度も細かな取り決めをして、農産物を生産していくことが前提の保証制度です。高齢化や、担い手不足、農産物の価格の低下で作り続けていくことは年々難しくなっているのが現状です。その中にあってこの直接支払制度は大変有難い制度なのです。圃場の設備維持や、獣害(主に猪)対策の防護柵の修理、維持にはこの資金は欠かせません。また、高価な農機具(コンバイン、田植機、乾燥機など)もこの資金で調達することもできるのですから、農家の皆さんは国に感謝しながら一生懸命良いお米を作っているのです。
自分の健康は自分で守ることが大切
日本の食生活は大変豊かになり、お金をだせば欲しいものは何でも手に入る時代です。その上、厳しい安全基準のお蔭で日本全国どこで買っても美味しくて品質の良い食物が手に入るのです。しかし、これからは基準も若干下がるのではと想像してしますし、商品のラベルにある原材料名から、添加物に至るまで要チェックです。病気にならずとも体内に蓄積されて老齢になって体調を崩しては元も子もありません。まして、近年では食物アレルギーを抱える人々が多々いらっしゃいますが、身体に良い食品を摂って欲しいと切に願います。
安心・安全は国産から
私も含め、日本の農家は食の安全を最優先に一生懸命作っています。安全基準が世界一で、国民の食生活を支えているという自負があります。大規模ではなく、小規模で作っているからこそ細かな気配りが食物に伝わり、より良い個性のある農産物が出来るのです。安全・安心な国産米を子に孫に末永く食べて欲しいと願いながら、今年もブランド米作りに励みたいと思います。