今年の施肥の失敗点
田仕事が一段落してホットしているところです。天気も晴れたり雨が降ったりと安定しませんが、来年の稲作りの準備は今頃からやっておきます。今年の施肥は雨天にも左右され、数日程計画よりずれましたが一番いけなかったのは出穂前の穂肥を撒く時期が後にずれ込んだことでした。。今年は天気が不安定で、予定していた穂肥の時期が10日程後にずれ込んで出穂25日前になりました。心配していた通り二段穂になり、遅れ穂を作ってしまいました。品種により、例えばコシヒカリあたりならば穂肥を振らずにそのままいけるのですが、キヌムスメは結構肥料を食います。また、刈り取り時期も10月上旬ということもあって、出穂から刈り取りまでの期間が2か月近くありますので穂肥の如何によって実り具合も違ってくるのです。ただ、遅れてしまうと二段穂になるので、穂肥を振る時期は大事です。
来年の施肥計画
米作りは毎年が勝負なのですが、肥料においても時代の流れに合った施肥をしないと買い手がつかないことになりかねません。経験豊富な年配の方は、例えば化学肥料一つにしても振る量、時期を心得ていらっしゃいます。数年前に新参者だった私も根ほり葉ほり聞いたものです。多くやればたくさん実るかというとそうでもありません。また、味にも影響するのですから、適量を振ることが大事です。
植物の成長に必要な栄養素
一般に植物は土に含まれる栄養分を吸収して生長しますが、この栄養分が不足すると生育が悪くなってしまうので、肥料を与えて生長を促します。この栄養分の3大肥料は窒素、リン酸、カリウムです。この栄養分を有機肥料で与えるのか化学肥料で与えるのかの違いなのですが、化学肥料だけでは不足する栄養分があって、カルシウム、マグネシウムやマンガン、亜鉛、銅等の微量元素がないと栄養の吸収も良くなりませんし、土壌改善にも効果がありません。その上お米の味にも影響するのです。身体に優しく味も良く、環境にも優しい作物の作り方を追求していくと有機肥料を使った農法になります。そこで今、有機肥料が見直されつつあるのです。
有機肥料と化学肥料の違い
有機肥料とは、植物や動物、または動物の排泄物などを原料にした肥料のことをいい、有機物の状態で土に混ぜると、微生物により分解され無機化してから植物に吸収されるため、肥料効果がゆっくりと現れます。逆に化学肥料の方は即効性で扱いも簡単ですが、化学肥料ばかりを多用していると植物にとって必要な微量元素が不足してしまいます。ただ、有機肥料はコストが割高で、作業も大変になり手間暇がかかります。環境に配慮しつつ作業を簡素化し、管理しやすい肥料計画を立てようとすると、両方をバランス良く織り交ぜて使うという所に行きつきます。
来年の肥料計画
今年の肥料は有機肥料も使用していますが、来年は思い切ってぎりぎりの肥料の量にし、元肥には有機肥料を、追肥には化学肥料と有機肥料を混ぜたものを施用しようと思っています。比較的使いやすいのが鶏糞ペレットです。これに窒素、リン酸。カリを織り交ぜて施用してみようと思います。これに稲がどう答えてくれるのかが問題であり、また楽しみです。挑戦しながら楽しみながらやっていくのが私流です。自然相手に切磋琢磨しながら自分も成長していくことでより良いお米を追求していきます。