実り具合を歩きながらチェック
10月に入ってから雲行きが怪しい日が続きました。この間稲こうじの穂を摘み取ったので、最後の刈り取り時期の見極めが大事です。最後の仕上げですが、半年かけて育ててきた稲穂を田んぼの中を歩きながらチェックするのです。どの稲もたわわに実って頭を垂れています。真っ直ぐに天に向かって伸びていた稲も大きく育って大粒の籾を抱えて見事なものです。
実る程にこうべを垂れる稲穂かな
田んぼの中を実際に歩いていると全ての稲穂が重々しく垂れています。「実る程にこうべを垂れる稲穂かな」ということわざがありますが、まさにその通りなのです。稲が生長して立派に実のるまでには何が必要でしょうか。田んぼという場所、そこに適切な時期に量を守って入れた肥料、生長具合に合った水の管理、病気が発生する時期には消毒、稲に行く栄養を横取りする雑草の除去など、大変な手間ひまがかかっています。作業がきつくて治療した奥歯が膿んできて抜いたこともありますが、刈り取る時期にはそんなことも忘れる程の充実感があります。
1年間かけて育てる稲に学ぶ
私には3人の息子達がいますが、稲作りは子育てに通じるものがあります。自然を相手にして仕事をしていると特に都会で生活している時とは違って、教えられることが多いですね。一生懸命に育ててやっと実るのですから、手を抜いたらだめになるのは当たり前なんだと気づかされています。そして中身が詰まって実ると稲はコウベを垂れます。私自身、コウベを垂れる人になりたいと思うようになりました。
刈り取りの時期
収穫を迎えた稲は、その時期があって遅くても早すぎてもいけません。丁度の時でないといけないのです。米の味が損なわれるからです。いつまでも投げていると雨と日光に交互にさらされて味が抜けてしまいますし、早すぎると味がいまいち乗ってこないのです。稲穂をつけている桔梗という部分がありますが、この緑色が稲穂全体の10~20%の時に刈り取るのです。丁度その時期になっていたので、10月8日に刈り取りました。
刈り取りは10時をまわってから
好天が続いて田面が固まっていないとコンバインがはまってしまうので、絶えず天気予報を確認しながら刈り取り日を決めます。そして刈り取りは午前10時を過ぎてから始めます。稲が乾いてからコンバインで刈り始めますが、倒れずに実っている姿に敬意すら抱きながら、作業を進めていきました。台風が来るたびに心配しましたが、種まきして、稚苗の頃にローラーがけしたり、角材をロープで引っ張って鍛えたりしたので、稲が太く強く育ったようです。そうしていない隣の田んぼは無情にも総倒れでした。
刈り取りが終わって
刈り取りが終わればすぐに乾燥機に入れて、まずは送風のみで5時間かけて少しずつ乾かしていきます。そしてやっとボイラーを炊いて温度を上げて本格的に米の水分を抜いて行きます。最終的には15%に持って行くのです。乾燥が終わった籾を2日後に籾すり機にかけて玄米にしていきます。結構時間もかかりますし、こまごまと手かかかります。・
今年の結果発表
30k入りの米袋に詰めていった結果、今年は9俵/反の出来でした。目標の10俵には届きませんでしたが、去年が8俵だったので満足です。道具、器具をかたずけて終了です。お疲れさまでした。しかし、まだ今年の作業が終了したわけではありません。最後の総仕上げが待っているのですが、それはあと1か月後のことです。